サトちゃん
「サトちゃん」
仕事の帰りに、いつも通る薬局の前の
サトちゃんのマスコットが
マフラーをしていた。
かわいかったーー。
思わず頭を撫でてやりたいという衝動にかられたが、我慢した。
もう少し行ったところの
クレープ屋さんの屋台の前にキューピー人形が三体置かれていた。
この寒いのに三体とも裸だった。
洋服を着せてあげればよいのに。
と、思ったが、言えなかった。
こんなときは、五歳くらいのかわゆい女のこに
なりたくなる。
そしたら、サトちゃんの頭を撫でることだって
迷うことなくできるし、
キュピーちゃんにお洋服着せてあげてよ。って、言えたかも。
大人になるって、けっこう、つらい。
あああ。いまだに秘密のアッコちゃんのコンパクトがほしい。へんてこりんな私。だった。